天国から地獄
- 投稿日:2023年06月15日
- 作成者:
- カテゴリ:コア
米国IT系ベンチャー企業の話しです。
米国のベンチャー企業の
スタートアップから急激な成長、
そして突然の終焉までの実話です。
久しぶりに見ましたが実におもしろい。
話はITバブル時代の1998年。
1時間で配達業務をこなすオンライン
ビジネスのベンチャー企業が
産声をあげます。
創業者の2人は、
一流企業ゴールドマンサックスの
インベストバンカー。
ゴールドマンサックスを3年で
飛び出して少ない資金と豊富なアイディアで
「Kozmo.com」(以下、コズモ)を
創設します。
従業員10人ほどでスタートアップ。
それが、わずか1年間で3000人を
雇用する大企業へと成長。
同社のビジネスモデルはそれなりに
秀悦でした。
・利用者がネット経由で注文
→ コズモ配達員が1時間以内に配達
・コズモは提携する企業の商品を代行購入して配達
・コズモの収益は販売額に対する手数料
所謂日本的に解釈すると「ご用聞き」。
当時の提携企業は、
スターバックス・コーヒー、
アイスクリームチェーンのハーゲン・ダッツ。
大手スーパーマーケットやレンタルビデオ店、
ファーストフードチェーン、
有名ピザ店等々。
当時は、ITバブルです。
.comと謳っただけで市場から
注目される時代です。
スターバックスと業務提携を結び、
大々的なプロモーション。
Amazon.comから数億ドル規模の
投資を受けて絶頂期。
さあ、いよいよIPO!
創業者が、
コズモのIPO前夜パーティで
「I~ P~ O~ OOOO~!」
と大絶叫。
その矢先の2000年4月、
突然の株式マーケット崩壊。
ITバブル崩壊です。
当時米国のIT企業で働いていたので
市場の動きはよく憶えています。
僕がお世話になっていた企業は、
ITバブル崩壊後も業績が堅調
だったのですが、
IT企業という括りで市場に低評価
されていました。
結局、
ITバブル崩壊でドットコム企業は
成長(売上)から利益に評価指標が
変わってしまい、
赤字続きで黒字化の見込みがない
企業は次々と市場から退場
させられていました。
コズモ幹部社員のコメントが
当時のドットコム企業の本質を
捉えています。
「僕達もずっとコズモを成長させる
気はなかった」
「IPOで一攫千金」
「その後は、高く買ってくれる企業
に売り渡すことだけをゴールに
考えていた」