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  • あなたは2枚のかつらが必要です。

    かつらを付けても自毛は伸びます。

    よって定期的に大手メーカーの運営する理容店へ

    通うことになります。

     

    僕は、1ヶ月毎に通っていました。

    今日は、初めてかつらを取り付けてから1ヶ月後に

    自毛カットで理容店舗へ行ったときのことを記します。

     

    個室ブースに案内されて、専任担当の理容師から、

    かつらを外した瞬間、大げさに、

     

    「アッ」、「こここれは・・・」

     

    と言いながらいきなり指摘されました。

     

    「遠藤さんは、かなりの脂性ですね。」

    「かつらのベースに脂がこびりついています」

    「しっかりと脂抜きをすることが必要です」

     

    脂抜き?

    あぶらぬき?

    あ・ぶ・ら・ぬ・き?

    聞きなれない言葉に意味を聞きました?

     

    担当者からは、

     

    「頭皮から分泌される脂がカツラのベースに入り込んで植え込んでいる

     

    かつらの毛が抜けやすくなるのです。」

    「脂抜きをすることによってかつらのベース毛が抜けることを軽減できます。」

    「それによってかつらが長持ちするのですよ」

    「でも遠藤さんの場合、脂抜きをしても1枚のかつらでは長く使うことは

     

    できません。2枚目のかつらを直ぐに購入することをお勧めします。」

    「直ぐに購入したほうがいいですよ」

     

    それから自毛カット中ずっと複数枚のかつらの必要性を

    アピールされました。

     

    1枚目よりも安くすること、脂抜きは通常有料

    (後々知ることになるのですが通常から無料)だが、

    特別に無料で対応すること等々の説明を受けて約2時間。


    結局、1枚だけなら破損したら困るし、2枚は必要とも考えて

    2枚目の契約をしました。金額は、45万円。

    1枚目と同じく長期ローンを組むことになりました。

     

    そしてて日頃のメンテナンスの為にとかつらのクリーナー、

    専用シャンプー、リンス、コンディショナー等々を数カ月分

    をどっさりとまとめて購入して店舗を後にしました。

     

    担当者から

     

    「今日は、良い決断をされましたよ」

    「2枚あれば、1枚が壊れても大丈夫、交互に使えば、数年間は利用できるので

    安心ですよ♪、これで5年間は安心してください。」

     

    との説明でなんだかホッとしたことを覚えています。

     

    しかし、これははじまりにすぎなかったのです。

     

    その後のかつらローン地獄の第一歩に過ぎなかったのです。

     

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  • 大手かつらメーカーへ

    大手かつらメーカーへはじめて相談した日のことは、

    今でもはっきりと覚えています。

     

    日曜日、空は曇り気味の天気で肌寒い日でした。

    電話で相談したところ、

     

    「無料で診断しますのでお気軽に一度来店してください♪」

     

    と言われ、当時、渋谷駅から徒歩5分ほどの雑居ビル内の

    支店を訪ねました。

     

    応対した支店長は、私の頭髪を見るなり、

     

    「30代になったら、”間違いなく”、薄毛が目立つようになるタイプです!」

     

    と断言されて、

     

    かつら用の金具をパチパチと音を立てながら。

     

    「今日、今、かつらを使用することを決めるべき!」

    「今日、迷ったら貴方は一生後悔することになる!」

     

    かつらを使えば、髪の毛で悩むこともなく、前向きになれることを

    熱く(しつこく)言われ続けました。

     

    それでも躊躇する私に、

     

    「今日、何しに来たの?人生を明るくするために来たのでしょ?」

    「人生を変えたいないの?」

     

    と叩きこまれ、

    特別価格と前置きされたかつらの値段も高価で

    (20年前で1枚48万円)、

     

    かなり迷いましたが、髪の毛の悩みから開放されて

    アクティブになれるならそれに支店長の言う通りに、

    今決めなければ、一生後悔しそうに思えたので

    契約(複数年払いのクレジットローンを組みました)。

     

    下記写真のかつらが、私が初めて購入した大手メーカーの1枚目の製品です。

    20年以上前、48万円を投じて、僅か1年ほどしか使わなかったかつらです。

    何ひとつ良い思い出がなく、20年以上経過してネットもベースもボロボロですが、

    どうしてもこのかつらだけは捨てることができずに残していました。

     

     

     

    約1ヶ月後に、かつらが完成し、再度来店。

    完成したかつらを見てちょっと毛量が多いかなと思いましたが、

    金具ストッパーで固定してセットしてもらうと思いの外、満足

    したことをよく覚えています。

     

    そして意気揚々と店を出たのですが、

    行き交う人々の視線が気になって仕方ない。

    大急ぎで自宅に戻り、合わせ鏡でかつらをチェック。

     

    ルックスに自信がない僕は普段、鏡を見ることはあまりないの

    ですが、かつらを外して、再度付け直して、また、かつらを外して、

    再度付け直しての作業を鏡の前で延々と繰り返し。

     

    その夜は、食事をすることを忘れていました。

     

    今までの人生においても、この日ほど鏡を見たことはありません。

     

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  • 青春時代 〜毛髪の悩み〜

    僕は、生まれつき髪質が細く、毛量も少なく、おまけに

    オデコが広く、小さい頃から人知れず毛髪で悩んできました。


     

    また、物心のついた頃から、周りの大人たちから

    僕が何も言わないのに、

     

    「隆之くん、男は顔とちゃうからな」

    「見てくれが悪くても出世した男は一杯おる」

    「ブサイクな男のほうが偉くなるんや」

    「大きくなったら仕事で見返したれ」

    「顔は良くでけへんから、心を鍛えなアカン」

     

    ルックスにも全く自信がありませんでした。

     

    学校に通いだしてからも、

    お世辞でもルックス面で褒められたことも、

    ルックス面で異性から注目されたことも一度もありません。

     

    誰にでも3度は訪れると言われている「モテ期」も一度も

    体現していません。元々ルックスが悪い上に毛髪の悩み・・・。

     

    そこで、

    顔の作りは、変えようがないけど、薄毛だけは、なんとか

    克服しなければと思うようになったのです。

     

    でも頭髪の悩みは、他人に相談することは抵抗があり、親にも

    相談できず、十代後半頃には、アルバイトで貯めたお金で薬局で

    高価な育毛剤(30年以上前で1万円以上)を購入し、家族に隠れて、

    マッサージを毎日行っていました。

     

     

     

    しかし、どれだけ育毛剤を使っても髪の毛が太くなることも

    増えることもありませんでした。

     

    毛髪が少ないことを隠すためにパーマをかけてボリュームを

    出して毎朝、毛量を多く見せる為だけに鏡の前で30分以上格闘

    していました。

     

    それでも、時間をかけて毛髪ボリュームを出しても外出して

    強風に煽られるとすぐに元通り。当時は、風の強い日の外出

    は苦痛でした。

     

    髪の毛を多く見せる工夫をすることと並行して多種多様な育毛剤

    を購入、育毛に効果があると聞くとなんでも試してきました。

     

    また、育毛と名が付く書籍(専門書も)を買い漁り、読み漁り。

    多様な育毛剤、専用シャンプー、専用リンス、専用トリートメント、

    専用コーム、毛髪に効くマッサージ・・・、

     

    毎月の出費は、1980年当時で3万円を超えていたと思います。

    パーマをかけたり、短髪にしたり、髪型も頻繁に変えながら、

    育毛に励んできましたが、相変わらず、毛が太くなることも、

    増えることもなく、髪の毛の悩みは常に私の頭を支配していま

    した。

     

    20代後半になって、かつらを使えば、毛が少ないことの悩みから

    開放されるのではないかとふと、考え始めました。

     

    今(2014年)から20年以上も前のことです。

    そして、ついに、生まれてはじめて、勇気を出してCMでも有名な大手

    かつらメーカーへ相談に行くことになるのです。

     

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