e-dreams
- 投稿日:2014年08月29日
- 作成者:
- カテゴリ:コア
今から15年近く前のドキュメンタリー作品です。
米国のベンチャー企業のスタートアップから急激な成長、
そして突然の終焉までの実話で久しぶりに見ましたが
実におもしろい。
話はITバブル時代の1998年。
1時間で配達業務をこなすオンラインビジネスベンチャー
が産声をあげます。
創業者の2人は、一流企業のゴールドマンサックスの
インベストバンカー。
ゴールドマンサックスを3年で飛び出して少ない資金と
豊富なアイディアで「Kozmo.com」(以下、コズモ)
を創設します。
従業員10人ほどでスタートアップ。
それが、わずか1年間で3000人を雇用する大企業へと成長。
同社のビジネスモデルはそれなりに秀悦でした。
・利用者がネット経由で注文 → コズモ配達員が1時間以内に配達
・コズモは提携する企業の商品を代行購入して配達
・コズモの収益は販売額に対する手数料
所謂日本的に解釈すると「ご用聞き」。
当時の提携企業は、
スターバックス・コーヒー、アイスクリームチェーンのハーゲン・ダッツ。
大手スーパーマーケットやレンタルビデオ店。ファーストフードチェーン、
有名ピザ店等々。
ITバブル、.comと謳っただけで市場から注目される時代です。
スターバックスと業務提携を結び、大々的なプロモーション。
Amazon.comから数億ドル規模の投資を受けて絶頂期。
さあ、いよいよIPO!
創業者が、コズモのIPO前夜パーティで
「I~ P~ O~ OOOO~!」
と大絶叫。
その矢先の2000年4月、突然の株式マーケット崩壊。
所謂ITバブル崩壊です。
僕は、当時米国のIT企業で働いていたので当時の市場の動きは
いまでもよく憶えています。
僕がお世話になっていた企業は、ITバブル崩壊後も業績が
堅調だったのですが、IT企業という括りで市場に評価
されてしまっていました。
結局、ITバブル崩壊でドットコム企業は
突然、成長(売上)から利益に評価指標が変わってしまい
赤字続きで黒字化の見込みがない企業は次々と市場から
追い出されていました。
コズモの幹部社員のコメントが当時のドットコム企業の
本質を捉えています。
「僕達もずっとコズモを成長させる気はなかった。
IPOで一攫千金。その後は、高く買ってくれる企業
に売り渡すことを考えていた」