人間力
- 投稿日:2016年04月04日
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- カテゴリ:コア
松井秀喜さんの父親の説教
国民栄誉賞を受賞された元プロ野球選手の
松井秀喜さん。高卒ルーキーで入団後の2年目から
頭角を現してジャイアンツの4番で活躍。
NYでも主軸を打ち、ワールドシリーズのMVP。
輝かしい野球選手人生を送られた伝説のバットマンです。
松井秀喜さんは幼少の頃から父親の影響を強く
受けて育ち、素晴らしい人間力を育みながら野球選手と
しても成長していきます。
そんな松井選手がプロ2年目20歳の日本シリーズで
ライオンズを撃破して日本一に輝いたときのことです。
父親から人生ではじめての説教を受けます。
私が本気でお説教らしきものをしたのは一回だけです。
子どものときではなく大人になってからです。
プロ2年目の1994年オフ。
日本シリーズで西武ライオンズを4勝2敗で倒し、
日本一になり故郷に凱旋したときでした。
辺りが薄く暗くなった夕刻、家の前は報道陣とファンで
ごった返していきました。
そこへ秀喜がタクシーに乗って帰ってきたのです。
秀喜がタクシーを降り、周囲を一瞥し、手を上げた
瞬間私はドキッとしました。さりげない動作の中に
天狗になっているというか、スター気取りというか、
嫌な雰囲気を感じ取ったのです。
秀喜の瞳の中には明らかにおごりの光がやどって
いました。
その夜、私は秀喜に対し、言葉を選びながら初めて
こんこんと思いを語りました。
主観的に自分を見てはいけません。
客観的に立場を見なさい。
周囲の人、例えばマスコミやファンは野球選手として
バットマンとしての一面を見て美化しているにすぎません。
人間性とか他の面で評価しているのではないのです。
秀喜は自分では気付かないだろうが、あの態度は少し変だ。
お父さんにはまるで凱旋将軍のように感じられました。
恵まれた素質と努力だけでは超一流にはなれないですね。
的確なアドバイスとそれを受け入れ実践できる心。
行き着くところは人間力です。